2021 東京大学(理系) 数学 大問1 解答&解説
こんにちは。もりすです。
今回は、東京大学(理系)の大問1の解説を書いてみました。
大問1は軌跡と領域(数学Ⅱ)に関する問題ですね。
※ 東京大学では,問題文の2次利用は制限されていますので,解答のみの掲載となります.
過去問が公式HPから公表され次第,URLを添付します.それまでは,各予備校または新聞社のURLから問題文を見てください.
私の解答
(1)
と との交点の 座標は,次の二次方程式の解になる.
すなわち
その2解を小さい順に とするとき, かつ となることが条件である.
とするとき,以下のすべてを満たすことが,題意を満たすことの必要十分条件である.
すなわち,
以上をまとめると,下の図のような領域になる.ただし,境界はいずれも含まない.
…(答)
(2)
を変形した は, 平面における直線の式を表す.
この直線を とするとき,求める条件は「直線 が(1)で求めた領域と交わる」ことである.
傾き を以下のように場合分けする.
(i) のとき (ii) のとき (iii) のとき (iv) のとき
また,直線 が次の点を通るときの式は以下の通り
→ すなわち
→ すなわち
→ すなわち
(i)
を通るときに切片が下限となり, を通るときに切片が上限となる.(今問は,その点自身は含まれないので,「最小・最大」という表記は不可.)
切片に着目して,不等式を作成する.
∴
(ii)
を通るときに切片が下限となり, を通るときに切片が上限となる.
切片について,
∴
(iii)
を通るときに切片が下限となり, を通るときに切片が上限となる.
切片について,
∴
(iv)
を通るときに切片が下限となり, を通るときに切片が上限となる.
切片について,
∴
以上をまとめると,図のようになる.
…(答)
いかがでしょうか。
解いた感じは,東大の中では易問の方に分類されるかなと思います.
(1)は入試基礎内容ですが,そこから(2)にどのように使えるかを考える必要があります.
(2)では, 平面で直接考えるよりも,いったん 平面の方に逃げて,そこから攻めていくのがやりやすいかなと思います.
(iv)のところを解いている途中から思いましたが, と で対称性を使えば,(iii)と(iv)は省略可です.でも,もうここまで来てしまったから…と最後までやっています.
なお,途中の図から値は解説時に必要なところしか書いてませんが,実際の試験ではきちんと省略せずに書いてください.
ここまで見ていただきありがとうございました.
それでは,大問2以降は次回の記事で.