もりすの数学ブログ

大学入試数学の解説(仮)

2021 信州大学(医・理・経・工) 数学 大問2 解答&解説

こんにちは。もりすです。

今回は、信州大学(前期) [医・理・経・工]共通数学の大問2の解説を書いてみました。

大問2は図形と方程式・微分(数学Ⅱ)に関する問題ですね。微分を習っていない生徒も解ける問題です。

(問題)

座標平面において,円 Cx>0 の範囲で x 軸と接しているとする.円 C の中心を\textrm{P},円 Cx 軸との接点を\textrm{Q}とする.また,円 C は,放物線 y=x^{2} と共通の接線を持つ.このとき,△\textrm{PQR}の面積を求めよ.

 

私の解答

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\textrm{P}\left(a,b\right) とすると,円 C の式は x 軸と接しているので,

\left(x-a\right)^{2}+\left(y-b\right)^{2}=b^{2}  

となり,\textrm{Q}\left(a,0\right)である. \left(a>0\right)

\textrm{R}での y=x^2 での接線と,円 C での接線が一致しているので,

① y=x^2 の点 \textrm{R} での接線の方程式は y'=2x より,

y=2\sqrt{2}\left(x-\sqrt{2}\right)+2

 =2\sqrt{2}x-2

∴  2\sqrt{2}x-y=2  …… ①'

② 円Cの点\textrm{R}での接線の方程式は,

\left(\sqrt{2}-a\right)\left(x-a\right)+\left(2-b\right)\left(y-b\right)=b^2

∴ \left(\sqrt{2}-a\right)x+\left(2-b\right)y=\left(\sqrt{2}-a\right)a+2b …… ②'

①' と ②' が一致するので,

2\sqrt{2}:\left(-1\right):2=\left(\sqrt{2}-a\right):\left(2-b\right):\left(\sqrt{2}-a\right)a+2b

2\sqrt{2}:1=\left(\sqrt{2}-a\right):\left(b-2\right) より, 2\sqrt{2}b-4\sqrt{2}=\sqrt{2}-a

∴ a+2\sqrt{2}b=5\sqrt{2} …… ③

1:2=\left(b-2\right):\left(\sqrt{2}-a\right)a+2b より, -a^2+\sqrt{2}a+2b=2b-4

∴  a^2-\sqrt{2}a-4=0 …… ④

④について, \left(a+\sqrt{2}\right)\left(a-2\sqrt{2}\right)=0

これを a>0 に注意して解いて, a=2\sqrt{2}  …… ⑤

⑤を③に代入して, b=\dfrac{3}{2}

よって,△\textrm{PQR} の面積は,

\textrm{R} から直線 \textrm{PQ} 向かって垂線を下ろしたときの交点を\textrm{H}とすると,

\textrm{PQ}= b=\dfrac{3}{2}\textrm{RH}= a-\left(\textrm{R}のx座標\right)=2\sqrt{2}-\sqrt{2}=\sqrt{2}なので,

△\textrm{PQR}= \dfrac{1}{2}・\textrm{PQ・RH}=\dfrac{1}{2}・\dfrac{3}{2}・\sqrt{2}=\dfrac{3\sqrt{2}}{4} …(答)

 

いかがでしょうか.

私の解いてみた感じは、入試基礎~標準の問題かなと思いました.

順序をきちんと追っていけば難しくないです.

「2つの線分が一致するとき」を対処するときに係数を=で繋がず、比を使って対応するのが最大のポイントです.

2つの直線ax+by+c=0とa'x+b'y+c'=0が平行になる条件はab'=a'b

でしたが,これはa:a'=b:b'と同じになりますね.

なので,この2直線が一致する条件は a:b:c=a':b':c' になります.

現に,x+y+1=0と2x+2y+2=0は同じ直線ですよね。係数は違いますが、比は同じなので同一直線になるわけです.

ちなみに、①の部分で微分を使わない場合は,

y=x^2y=a\left(x-\sqrt{2}\right)+2との共有点の個数が1個になればよいので,

x^2=a\left(x-\sqrt{2}\right)+2の判別式が0となるaの値を求めればOK.

同じようにa=2\sqrt{2}が出てきます.  

 

ここまで見ていただきありがとうございました.

それでは、大問3以降は次回の記事で.